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  不動産は一生において最も大きな買物。しかしながら、その際の法律や手続きなどは意外に面倒なものです。
 購入計画から資金計画の立て方、契約時の注意点、諸費用はいくら必要か?など買ってから後悔しないために不動産購入の際のポイントをしっかりマスターしましょう。


プランの第一歩は資金計画から            

 多額の資金が必要とされる土地や建物の取得では、自己資金の割合と、現在の自分の年収でどれだけのお金を借り入れることができるかが最大の関心事になります。ただ借りたお金は長期にわたって返済しなければなりませんから毎月の返済が適正であるか否か、自己の返済能力を見極めることも資金計画では大切なポイントです。
 金融機関では、融資限度額の条件を次のように設定しています。
 例えば公庫では毎月返済額の5倍(公庫財形融資は4倍)以上の月収があることが条件です。これに対し民間の金融機関では、公庫や他の金融機関からの借入れすべてを合わせて、年間総返済額の年収に対する上限を下表のように決めています。
 しかしこうした年収は、貸す側の目安であって返済する側の目安とはいえません。同じ年収でも家族構成やライフスタイルが違えば返済能力に差が生じるからです。最大限の借入れをして土地や建物を持っても、毎月の返済額が生活を脅かすようではけっして良い結果は生まれません。借入額と返済のバランスをとることが資金計画の基本です。詳しくは >> 資金計画について


 購入計画

 まず購入計画です。どんな住まいを求めるのか、購入の目的を明確にする必要があります。家族のライフスタイルを考えて計画を練ります。また住みたい地域はどこか?資金はいくら用意できるか?購入限度額は?返済計画は大丈夫か?といったことも併せて検討します。


 広告から物件を選ぶ

 住まい探しの原点は物件情報をより早くより多く収集すること。それには情報誌を活用したりインターネットをから物件検索するのが一番です。多くの物件の中から希望に近い物件をいくつか拾い出してみます。しかしすべての条件を満たしてくれる物件はありませんから、希望条件を絞り込むことも忘れずに!また広告の表示の意味をあらかじめ理解しておくことが大切です。


 電話で問い合わせる

 いくつか拾い出した物件の中から、これはと思う物件があったら電話で問い合わせてみます。インターネットの場合は、メールで問い合わせて見てね。ただし電話で問い合わせられる内容は、その物件がまだ売出中か…といったごく限られた範囲のことだけです。問い合わせの際には自分が誰なのか相手方にはっきり伝えておくことを忘れずに!また同時に相手方の担当者の名前もしっかり確認しておきましょう。


 不動産会社を訪れる
 不動産会社の担当者を訪ね物件についての説明を受けます。このとき物件資料(案内図・地形図・間取図・法令上の制限・販売価格などが記載されたもの)を提出してもらい検討の材料とします。またその際には信頼できる業者であるかチェックします。業界団体への加入の如何、経歴、営業年数、接客態度などは一応の目安です。

 現地見学する

 物件は現地に出向いて自分の目で確かめます。手元の物件資料と突き合わせて確認します。その際は環境や周辺施設、利便性のほか電気、ガス、上下水道などの都市施設のチェックも怠りなく。
 一戸建てやマンションなら建物の質や居住性、間取り、広さ、設備の使い勝手、収納スペースなども細かにチェックします。


 購入の申し込みと諸費用

購入意志が固まったら、いよいよ購入の申し込みです。ここでは、いつ、どんな費用が掛かるのか、どんなことに心がけたらよいのかをまとめました。

● 申込証拠金は少額でも慎重に。

 購入意志が固まったら購入の申込みを「申込証拠金」を添えておこないます。
 申込証拠金は10万円程ですが、法的な根拠は薄く、あくまで慣例としておこなわれます。つまり、このお金は不動産を買いたい(押えておきたい)という意思を表し、契約の優先順位を確保するだけのものなのです。キャンセルしたい場合には建設省指導により基本的には無条件で返済されるようになっています。しかし、だからといって安易な気持ちで支払うべきものではないので、注意したいところです。
 また、返済の際には領収書が必要ですから、申込証拠金を支払う時には、必ず領収証を受け取り保管しておくこと。この際、領収証に申込証拠金として支払われた旨の記載が入っているかも、重要なポイントになります。

●契約前には必ず重要事項の説明を受ける。

 購入の申込みをすると、不動産会社から物件についての詳しい説明が行われます。これが「重要事項説明」と呼ばれるきわめて大切な手続きです。
 この説明は、宅地建物取引業法で売買契約を結ぶまでに買主に対して行なうことが義務づけられています。宅地建物取引主任者の資格を持っている人が宅地建物取引主任者証を提示して口頭で行なわれます。
その際に説明者から説明内容が記入された書類が渡されますが、これが「重要事項説明書」です。
 重要事項説明の具体的な項目は上記の通りです。専門知識を要する点が少なくありませんが、不明な点があれば遠慮なく質問し、納得いくまで説明を受けておきましょう。
 購入物件が中古住宅や土地の場合は特に権利関係に注意が必要です。登記簿謄本を提出してもらい、内容を突き合わせて相違点がないことを確認します。もし提出がなければ自分で登記所へ出かけて登記簿謄本を取り寄せることをおすすめします。重要事項説明書は時間をかけじっくり内容を検討し、数日おいて契約の日取りを決めるとよいでしょう。 

●不動産の調査は登記簿謄本のチェックから

 購入物件が中古住宅や土地の場合で、業者から登記簿謄本の提出がない時は自分で謄本を取り寄せることをお薦めします。 登記所(法務局、地方法務局またその支局、出張所)へ出かけて登記簿の内容を見てみます。
 登記所の窓口には用紙がありますから、「閲覧」または「謄本」「抄本」の区別を書いて提出します。閲覧は1件につき500円。謄本または抄本でも1000円の手数料で貰えます。家へ持ち帰り重要事項説明書と照らし合わせてみるとよいでしょう。

●登記所へ出かける前に

 登記簿は、一筆ごとの土地と一戸ずつの建物が別々の用紙に作られています。それぞれ土地ならば地番順、建物は家屋番号に従ってバインダー式の帳簿に綴じてあるので、確かめようとする物件の地番、家屋番号がはっきり分かっていなければなりません。出かける前にまず、正確な地番、家屋番号を確認しておきます。
 また登記簿に加え、土地については公図も合わせて見ておきます。土地の形状や私道部分の有無などが分かります。特に私道については、権利関係を十分に調べておかないと、後々トラブルの原因になりかねません。

●登記簿のここに注意 ! 権利関係や敷地面積をよく確認する

 登記簿には「土地登記簿」と「建物登記簿」の2つがあり、それぞれ「表題部」「甲区欄」「乙区欄」の3つの部分から構成されています。
 表題部は、土地についてはその所在地、地番、地目、面積、登記の原因と年月日など。建物については、所在地、家屋番号、建物の種類(住宅、店舗などの区分)、構造、床面積などが記載されています。これで調べたい物件かどうかを確かめます。
 特に土地の場合、同じ地番でありながら分割されたために枝番がついているケースがよくありますから注意が必要です。
 甲区覧には、所有権に関する事項が記載されています。具体的には、登記申請受け付けの年月日、登記権利者、登記原因とその日付、登記の目的、その他登記すべき権利などです。ここでは土地・建物の経歴(いつ登記されてきたか)が分かりますし、現在の正確な所有者の確認もできます。
 仮登記や、競売の申し立てなどの登記がされていないかもここで十分調べて下さい。仮登記は、売買などによって既に実質的な権利が他人に移っている時や、将来所有権が移転することを予告しているものです。また、仮差し押え、仮処分、競売の申し立てなどがある物件なら、売主の資金繰りが苦しく、他にも多くの債権者がいると考えられます。
 乙区欄では、所有権以外の権利に関する事項が記載されています。具体的には、地上権、抵当権、質権など。例えば、抵当権は住宅ローンなどの債権があることを示します。債権の額はどれくらいあるのかなどをチェックします。また、地上権や貸借権のついている物件では利用価値が著しく減ることになるので注意が必要です。

●役所の窓口では法的規制を確認

 登記所のほか、市役所や町村役場の都市計画課などで建築基準法や都市計画法による制限を確認しておくことも大切です。
もし、買おうとする住宅の敷地が計画道路にかかっていると、将来立ち退きを求められるかもしれません。
 また、建ペイ率・容積率や斜線制限などによっては建て替えや増築が不可能な物件も見られます


 重要事項説明書の主要事項とチェックポイント

1・土地や建物の権利関係
登記簿に記載されている所有権などの権利の種類と内容、登記名義人などについての説明。売主と登記上の所有者が違う際には、譲渡契約が交わされているかを確認すること。また、中古住宅で抵当権がある場合は、引渡しまでにそれが抹消されるかどうかも、大切な確認事項です。

2・建築基準法など法律による制限
住まいに関係する法律は、建築基準法、都市計画法など数多くあります。購入予定の土地・建物に対して、これらの制限があるのなら、事前に確認しておきましょう。

3・私道負担の有無
幅4m以上の公道なら、まず安心。もし私道ならば、所有者は誰か、敷地面積に含まれるのか、無償か有償か、また将来はどうするのかなど詳しく確認しておきたいもの。

4・水道・電気・ガス・排水などの整備状況
暮しのベースとなるものは特に入念に確認しておくこと。整備のための工事負担金や使用負担金の額をはじめ、いつ頃までに完備されるのかも説明事項のポイントです。

5・完成時の形状・構造など
完成前に売り出されるマンションなどでは、完成時の外観、階数、間取り、内装の仕上げなどが説明されなければなりません。

6・マンションなど区分所有物件についてその権利、管理など
マンションといった区分所有法の対象になる建物では、敷地の権利関係や管理などについての確認が必要です。

7・代金以外の名目で支払う金額とその目的
住宅の売買では、代金以外に手付金、中間金などの名目で支払われるお金があります。その目的やそれぞれの金額がどういう扱いになるのか、明かにしておく必要があります。

8・契約の解除について
契約を結んだあとで、売主・買主のどちらかの都合や債務の不履行で契約を解除することがあります。例えば、買い換えの際に旧宅が売れない場合などがその例で、そうした際に無条件で解約できるのか、などをチェックします。

9・損害賠償の予定と違約金について
契約の不履行があると、損害賠償の問題が起こりますが、その金額を事前に決めておくことがあります。なお、損害賠償予定額と違約金の合計は、不動産会社が売主の場合、代金の20%を超えてはならないとされています。

10・前金の保全措置について
完成前の物件については、契約から物件の引渡しまでの間に支払われる前金が代金の5%を超える時、その保全のために銀行や保険会社の保証を付けなければなりません。その保全の内容、保証を依頼する金融機関を確認します。

11・業者が斡旋するローンの内容とそれが成立しない時の措置
不動産会社が特定の金融機関と提携して、住宅ローンの斡旋を条件に販売する場合があります。その時には、その金融機関、融資額の利率などを確認します。また、ローンが成立しなかったら契約をどうするのかも重要なポイント。こうした場合、通常は白紙撤回となります。

 

 諸費用・税金

1 購入申込み 〔重要事項説明〕

■申込金
購入したい物件を押さえておくためのもので、売買契約まで至ればそのまま手付金の一部に充当される。またキャンセルした場合には無条件で返還される。金額は10万円程。必ず領収書を受取り保管しておくこと。

2売買契約

■手付金
物件価格の10%程度を支払う。

■印紙税(売買契約時)
売買契約書に収入印紙を貼り消印することによって納める仕組み。
 印紙税額は契約書に記載された消費税抜きの取引価格に応じて次のように決められている。

100万円超500万円以下 ………………………………2,000円
500万円超1,000万円以下………………………………10,000円
1,000万円超5,000万円以下……………………………20,000円
5,000万円超1億円以下…………………………………60,000円
1億円超5億円以下………………………………………100,000円
5億円超10億円以下 ……………………………………200,000円

(契約書は2通作成するので、それぞれに印紙税が必要。売主と買主の双方で1通づつ負担する)
 ただし不動産の譲渡に関する契約書で、記載された契約金額が1,000万円を超え、かつ平成13年3月31日までの間に作成されるものは次の通り。

1,000万円超5,000万円以下……………………………15,000円
5,000万円超1億円以下 ………………………………45,000円
1億円超5億円以下 ……………………………………80,000円
5億円超10億円以下…………………………………… 180,000円

■仲介手数料と仲介手数料に対する消費税
仲介手数料は売買契約が成立したとき仲介業者に支払う手数料。販売業者が自ら売主の場合は不要。仲介手数料は物件価格×3%+6万円。またこれに対して5%の消費税がかかる。(半額をここで支払い残りは残金決済時に支払う場合がある)

3融資申込み
 〔ローン契約〕

■印紙税(金銭消費貸借契約書)
 金銭消費貸借契約はローンを借りる金融機関と結ぶもの。公庫や民間銀行ローンなど複数のローンを組むときは、それぞれの契約書に印紙税が必要になる。金額は前項参照。

■ローン手数料
 ローンを申し込むときの事務手数料で、住宅金融公庫の場合は新築・建売・マンションで5万円(税別)、中古住宅とリホーム資金は4万円(税別)となる。
 年金融資では勤務先を通じて借りる「事業主転貸」と、公庫を通じて借りる「併せ貸し」は無料だが、年金住宅福祉協会などの公益法人を利用する「協会転貸」の場合は、借入額に応じてかかる。また、銀行では保証事務手数料も別途必要となる。

■ローン保証料
 ローンを借りるために必要な連帯保証人の代わりに保証協会や保証会社を利用するための費用。金額は借入れたローンの額や返済期間によって異なる。

■火災保険料
 公庫を利用すると、特約火災保険への加入が義務づけられる。保険金額は融資額以上、建物の時価までの範囲になっている。支払いはローン契約時に一括払い。

■生命保険料
 ローン返済中の万一の事態に備えて団体信用生命保険をかけるのが一般的。公庫の場合加入は任意だが、大多数の人が加入している。保険料は借入れ額、返済期間によって変わる。

■建物価格に対する消費税
 建物価格に対して5%の消費税がかかる。中古住宅の場合、売主が一般個人であれば非課税。業者が売主なら建物価格に対して5%の消費税が課税される。


4残金支払い
 (引渡し・登記)

■登録免許税
 登録免許税は、不動産の登記や住宅ローンを利用する場合の抵当権設定の際にかかる税金。建物の所有権保存登記、土地の所有権移転登記など登記の種類によって、その算出法は異なる。(本誌不動産の税金と軽減措置参照)
一定の条件を満たした住宅なら税額の軽減措置(建物のみ)が受けられます。

★軽減措置の受け方
 市町村の建築課で専用住宅証明書を交付してもらい、登記の際に添付する。

■登記時の司法書士への報酬
 登記には、1・建物の所有権保存登記、2・土地・建物の所有権移転登記、3・抵当権設定登記の3種類があり、それぞれに代理手数料が必要です。登記は自分でできないことはないが、一般的に司法書士に頼む。その場合、登記の種類によって決められている報酬、登記簿の閲覧料、交通費などの実費、それに日当などを支払う。

■固定資産税・都市計画税の精算
 中古住宅を購入した場合には、毎年1月1日現在の所有者にこの2つの税金が掛かっているため、引渡し以降の所有期間分は日割り計算で元の所有者に返さなくてはなりません。

5入居・その後

■引越し費用

 荷物の量、種類、距離、作業の人数、住宅の形状などによって料金は異なるが、一般に10万円前後から20万円程度は見ておきます。
☆電話・クーラー移転費用、家具・照明器具などの日用品購入費用なども用意しておきます。

■不動産取得税
 不動産の取得行為に対して課税されます(本誌不動産の税金と軽減措置参照)。不動産取得税には軽減措置があり、適用を受けるには、原則として取得後60日以内に都道府県の税務事務所に申告する必要があります。放っておいたら軽減措置は受けられません。税額は評価額の3%(住宅用)だが、土地と建物それぞれに控除があります。

■固定資産税
 毎年1月1日現在で土地や建物を所有している人に課税されます。税率は不動産評価額の1.4%(自治体の条例により2.1%まで引き上げることもある)。土地、建物ともに軽減措置があります(本誌不動産の税金と軽減措置参照)

■都市計画税
 毎年1月1日現在において都市計画法で指定されている市街化区域内に土地や建物を所有している場合に課税されます。税額は不動産評価額の0.3%を上限に、自治体ごとに決められています


 


 
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